お預かりしてきた座卓を工房に搬入します。まず、全体をクリーニングして細部の状態を確認し、次いで脚のガタツキの解消作業に入ります。
天板のクリーニングの写真は撮っていませんが、漆の表面に薄く油の被覆ができていて思いのほか取り去るのに苦労しました。日々の手入れに使われていた油が、永年の間に何層も固着してしまったもののようです。30年たって完全に固まっている漆は堅牢そのもので、シンナーなどの溶剤で拭いてもなんともありません、漆は本当に優秀です。
脚のホゾにできた隙間をガムテープで補修してあったところは、ガムテープのノリ分が狭い隙間に入り込んでガビガビに固まっていたものを根気よく取り除きました。
脚部のガタツキは薄板を様子を見ながら重ね貼りしていく方法をとりました。巧妙な形のホゾなので一方が合うと一方がきつくなるといった具合で、慎重に調整しました。結果的に4本の脚はそれぞれちがう枚数の薄板を貼ることになりました。