長年愛用されて、塗装の剥げたテーブルの補修を依頼されました。
部分的な補修でできないわけではないですが、それでは全体の木目の統一感や厳密な色合わせに難があります。そんなことではせっかくの無垢の木の天板が泣きます。
「お任せします」と言われたので、天板の塗装を全て削り落とし、全塗装して綺麗な木目を蘇らせました。
ご依頼いただいたテーブルです。塗装が剥げています
照明の具合により、かなり赤みが強く写っています。
塗装の剥げた個所のアップです
補修を完了したテーブルです
綺麗な木目が蘇りました。
剥げた塗装の補修が完了した個所のアップです
■作業経過
まず分解します。天板は3つに分解できました
塗装の剥げた場所の多いパーツです
日に焼けた具合が一目瞭然。パーツに接して全く日に当たらなかったところは真っ白です
塗装の剥げたところのアップ
さらにアップ
外したビス、カップに入れてひとまとめにしておきます
塗装を剥がしたビースと塗装を剥ぐ前のピース
80番と120番で古い塗装を全て削り取ります
塗装を剥いだら、砥の粉を刷り込みます
こちらのピースにも砥の粉を刷り込みます
120番で余分な砥の粉を削り取り、平滑にします
別のアングルから
こちらのピースも同様に、砥の粉を取り平滑にします。番手は120です
中塗りです。サンデイングシーラーを塗ります
こちらのピースにもサンデイングシーラー
一回目
4回目、毎回240番で平滑にします
そのアップです
上塗り一回目
そのアップ、だいぶ木目が綺麗に見えてきました
上塗り3回目。毎回240番で平滑にします
4回目
真ん中のピース上塗り4回目、木目がいい色になってきました
別のアングル、ほぼ完成の領域です
最後の仕上げ塗り、全部でかれこれ10回ほど塗りました。いい感じです。
真ん中のピース、いい感じです
上塗りは320番で水研ぎ、最後は600番で水研ぎして仕上がりです。さらっとした、とても良い手触りになりました
部屋の中で組み立てです。この部屋は蛍光灯なので黄色っぽく写ってます
窓からの太陽光だけで撮るとこんな色。赤みのあるきれいな木目です
収縮して痩せたダボに0.1mm厚の薄板を巻きます。これできっちりはめ込めます
納品の日に一目見て「綺麗な木目だ」と言われた時、全ての苦労が報われました。
地道に少しづつ良くなってここまできれいになりました。
ご参考にこの作業、全て込みで100,000円くらいかかりました。