修理完了写真
サイドテーブルの修理をご依頼されました。
天板が割れています
脚の先がかけています
塗装が傷んで、ところどころ剥がれています。天板の割れと脚の欠けを修理して、木の手触りを活かした、艶を抑えめにした仕上げにしてほしいというご要望でした。
作業開始です。まずクリーニングします。
天板の割れを詳しく観察します。
裏返して天板を外します
天板をつなぐ締結部材が分断していました。50年近く経った木は収縮して、10mmほど縮み、左右がホゾで固められて動けないので、左右に引っ張られる格好になったのです。この力はとても強く、最終的には締結部材を破断させて、真ん中に割れとなって表れてしまったのです
天板を分解します
締結部材を同じ樹種の材から切り出します。まずは形を描き写します
整形の終わった新しい締結部材です。これを使って天板をつなぎ合わせます
天板を接合して接着します。締め付ける力が逃げないよう、板で挟んで作業台にねじ止めして、左右からクランプで締め付けておきます
接着の養生中に、欠けた脚先の修理です。まず、欠けた面を平面に整形します
大まかに形にした一回り大きな木片を接着し、養生しておきます
完全に固まったら、形を削り出していきます
ラフな成型が完了しました。ここからは周囲の塗装も一緒に削って面を出していきます
整形終了です。こうしておけば周囲の塗装ともなじむ仕上がりになります
染色して色合わせです。少しづつ濃くして近づけていきます
色合わせ終了です。後は仕上げの艶合わせで修理した場所がどこだかほとんど分からなくなくなります。
つぎに、天板裏のホゾを加工します。天板が縮んだ分左右のホゾが逃げないと、足を正確な位置に固定できません
天板と脚を接合します。必要ならこんなジグを作ってしっかり固定されるように均質な力で締め上げます
最後に全体の塗装を補修して艶合わせをして完成しました。しっとりとした落ち着いた艶で、木の温もりが感じられる仕上がりになりました。