壁掛け鏡の修理をご依頼いただきました。長年使い込まれた、額部分のペイントに味があるカントリー調の鏡です。

床に落としたことがあるそうで、フレームの接合部に隙間ができ緩んでいるようです。

工房にもちかえり分解したところです。取り外した鏡はしっかりクリーニングし、まずはフレームの細部の不具合を確認します
フレームの角が緩んでいます
こちらにも隙間ができています
表から見ても隙間がはっきりわかります
こちらはもっと大きく開いています
角の接合部はこんな作りです、ホゾに挟まれた三角形の木片が経年で縮小して緩んだようです。
背板を止める木ネジで割れてしまった個所です
吊り紐を根本の金具ごと一旦外します。
フレームの継ぎ目に接着剤を入れ、帯状のクランプで締め上げて一晩養生します。
クランプを外したところです
全体にサンデイングシーラーを塗布し、研磨して全ての隙間を埋めます
塗装して仕上げました
背板も新たに用意した合板から切り出しました
コロナ渦で木材の流通に支障があり、2.3mmの耐水合板が手に入りませんでした。代わりにカラー合板を使います、こちらの方が組織が密で、結局高品質な仕上がりになりました。
吊り紐を固定金具から新たに付け直します。
今回吊り紐に用意したのは、パラコードです。本来これはパラシュートの紐に使う強靭な紐です
吊り紐の取り付け終了です
完成しました
フレームの角のアップ、今回採用した塗料は、いろいろな色の粒子が塗布される新タイプの吹き付け塗料で、単色にはない味があります。
見た目はざらざらした感じですが、さらっとした手触りの一種独特の雰囲気に仕上がりました
梱包して納品します