谷口六郎さんのほのぼのとした絵はご存知ですか。昔週刊誌「週刊新潮」の表紙になっていました。表参道駅にある交番の横に壁一面が谷口六郎さんの絵になっているビルがあります。このビルが「山陽堂」という本屋さんです。

「山陽堂」さんは町の本屋さんの老舗です。昔から多くの作家さんに愛されてきた歴史のある書店で、村上春樹さんのサイン本や安西水丸さんのイラスト原画などを見に、海外からもディープなファンが訪れる隠れたメッカです。

2階は画廊になっていて、本好きには堪らないイラストや装丁の展示が見られます。3階は喫茶店になっていて美味しいコーヒーが味わえます。この喫茶店の内装はレンガ積みのビルの歴史が活かされていてとてもいい雰囲気です。この喫茶店が今回のブログの舞台です。

喫茶店のご主人から、変わった依頼を受けました。木の家具を一旦切って、その後で再びつなげたいというご要望でした。必要そうな工具を持ってうかがいました。

カットした家具。天板の上の棚を一旦カットしました

切るのはどこでもいいわけではありません。家具を子細に調べて、構造上問題のない個所で、再度接合した後で作業の痕跡が目立たない場所を探し出します。

カットするために横にした写真、扉を開けて内部の構造を掌握します
床に接する個所のアップ

作業中の写真は撮れていません。作業に夢中になるとよくやる失敗です。画廊のスケジュールとの兼ね合いで、必要な工具を持って出直す時間が無い中、使える工具で何とかするのに懸命でした。一旦カットして3階の喫茶店に運び込み、再接合。実はこの2階と3階の間の螺旋階段が今回の変わったご依頼の原因でした。元の大きさではこの螺旋階段を上がることはできなかったのです。

結果なんとかご依頼の作業をこなすことが出来ました。後日再接合した部分の接合跡を消す作業に再訪問して完成させました。

この家具は喫茶店のディスプレーに活躍しています。興味のある方は現地でご覧ください。その際、事前に喫茶店の営業日を確認されることをお勧めします。

ちなみに、この喫茶店で以前「オリジナル家具の制作(2)」でご紹介したハイスツールに座ることもできます。

さて、このディスプレー家具にはこんなグッズが展示されています。

本のスタンド

こちらはブックスタンドです。お気に入りの本をいつも眺めていたい方向けの「山陽堂」のオリジナルグッズです。この写真ではロゴが「jcraft」になっていますが、喫茶店では「山陽堂書店」のモノが購入できます。

スタンド本体の写真
中央の組み込みを外して
コンパクトになります

またこんなモノもあります。

ポストカードスタンド

ポストカードのスタンドです。

上部の溝にカードを挿し入れると
溝に微妙なRが付いていて・・・カードが自立します。