子供の時から使い始め、大人になっても使える椅子、ストッケ社のトリップ・トラップ。「子供が成長したので塗り直して使い続けたい」とのご依頼がありました。

緑と青の2脚の子供椅子、フリップ・トラップ、ビビットな発色が素敵な子供用の椅子です。
シールがたくさん貼られています。子供時代の思い出とはいえ、これをそのまま使うのはさすがに憚られます。
お菓子やオモチャ、本などのおまけのシールや
シールの台紙まで貼られています。
シールはがしと
プラスチックのヘラを使って、
シールを全て剥がします。
剥がし終わりました。この色のまま組み替えて使うこともできますが、今回は色の塗り替えをします。

フリップ・トラップの支柱にはたくさんの溝が刻まれていて、子供の成長に合わせて、座面と脚載せ台の高さを移動できる仕組みです。1970年代に発売されると「子供の成長とともに使い続けられる、他にない画期的な椅子」として世界中でもてはやされました。皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

経年で塗膜が劣化しています。子供が口にしても無害な塗装でこれだけ鮮やかな色を実現するにはかなりの苦労があったはずです、その分塗膜が弱いのは致し方ないです。
子供用の組み立てでは、脚を載せる台の方が広く、座面の方が狭くなっています。この状態を目にする機会が多く、大人用に組み立てたものはあまり見かけないのではないかと思います。
メーカーのシールです。これはマスキングして残しました。
分解して塗装し、大人用に組み替えました。子供用の座面を取り外し、脚載せ台を座面の位置に組み込んであります。
後ろ側です。メーカーシールが青いものと緑のモノ
2脚が完成しました。
焦げ茶色のフリップ・トラップもシックでいいですね。取り外した子供用の座面はとっておき、将来お子さんができた時にまた使えます。
安定感が抜群で、背もたれの曲面が気持ちいいフリップ・トラップは大人になっても使えます。