イギリスで購入されたダイニングテーブルの塗り直しを依頼されました。脚の付け根がグラグラすることも直してほしいとのことです。

分解して作業台に並べてみます

グラグラするのは脚の固定ビスの穴が経年で大きくなって、ビス軸が動けるようになったためのようです。ご高齢のご家族が「椅子から立ち上がる時にテーブルに手をついて体重を預ける使い方をされている。」とのお話から推理した不具合の原因が、実物を観察することで確認できました。

天板の裏側です。

脚の付け根付近に削れてできた木の粉が付いています。ビスとビス穴がこすれ、摩耗で穴が拡大してきた間にたまった木の粉です。原因がしっかりつかめれば対策の方針も明確になります。

脚の固定ビスの錆を
グラインダーに付けたワイヤーブラシできれいに落とします。
ガタツキを止めるため、ナットを一本追加しました。
埋め込みナットと6mmのビスでガタツキを止めます。
仮固定してみます。ガタつかなくなりました。

ガタツキが解消しました。この仮組までは手元にあった6mmのビスで仮固定しています。納品時には6角7付き6mmコネクターボルトでしっかり固定しています。

丁番に刻印されたメイド・イン・ジャーマニーの文字。少なくとも金具はドイツ製のようです。
脚の桟を固定するための楔、よくできています。
次に天板の作業に入ります。天板には熱で白化した食器の跡が散見され、
ところどころ塗膜が剥離しています。
多くは木目の所が剥がれています。目止め剤が浮いてしまったもののようです。
目止めからしっかりやり直さなくてはなりません。
サンダーで塗装を全て削り落とします。
#40、#80、#120と順次番手を上げて全ての塗膜を落としていきます。
落とし終わりました。
着色と同時に目止めです。
並行して脚の塗装をしておきます。
中塗りの一回目です。サンデイングシーラーを塗り研磨します。
中塗りの3回目が終わりました。
仕上にクリヤー塗装をして#600番で水研ぎ研磨します。
艶を抑えた最終塗装を終えました。
拡張テーブルの天板も全く同じ仕上がりです。
完成です。