ホゾが抜けかかっている椅子を修理したいとの連絡をいただきました。添付された写真を見ると一番大切な接合部が抜けかかっています。急ぎ修理をすることになりました。

作業所に持ち帰り、座面を外して接合部の状態を確認します。
後の脚の付け根が抜けかかっています。
前の脚も同様です。
2脚ともほぼ同じような状態で、このまま使い続けるのは危険です。

原因は経年で木が収縮し、ホゾが緩くなって抜けてきたとみられます。今後も同じことが起きるのも防ぐ方法を考えながら作業を続けます。

今回は多少なりとも怪しいと思われる接合部は全て分解しました。
接着剤を入れ、再組立てです。
ポニークランプで圧着し、一晩養生しておきます。
再接着の完了した接合部
同じく前の脚の付け根
次に、全てのホゾの緩みの起点になったと思われる後ろの脚の付け根に、接合部を補強する丸棒を、ホゾに直行する形で打ち込み、ロックをかけることにしました。まず下穴を空け、
微妙にテーパーをかけた、堅木の木丸棒を接着剤を付けて打ち込んで接合部を補強しました。
丸棒の余長をカットして、このあと色合わせして仕上げしています。
その他の細かな傷をタッチアップして補修し、
フレーム全体をクリヤー塗装で仕上げています。
座面を取り付けて修理完了です。