組み立て完了です。引出や引き戸の動きや、木目の色味など細かなところの調整をして仕上げます。

完成写真です。新たに入手した引手がすこし大きかったので下2段に使いました。

今回金具の複製も行ったので、作業量は多い方でした。実は引き戸の向かって左側と一番下の引き出しの鍵穴の金具が樹脂製です。こう言われても見た目には全くわからないと思います。木目の風合いも残っているので時代を経た味が色濃く出ている仕上がりになりました。
それにしても日本の家具は合理的にできています。3つに分かれて人一人が運べるサイズになっていますし、設置に際しては下の巾木部分を置いて実寸の配置検証ができますし、つなぎの金具に担ぎ棒を挿して遠距離でも二人で運べます。木が収縮した後の時代の補修を考慮してある引出奥のしまい方など、全く先人の知恵と心遣いには脱帽いたします。
古い家具は素敵です。大切に使い続けたい方はぜひこのようなお直しをご検討ください。邪魔者扱いされた上に、廃棄料金まで徴収されて捨てられてしまうのは、もったいないです。手を入れて蘇った家具は使う人の生活に潤いをもたらしてくれます。ご参考に今回の作業価格を記しておきます。都内を前提にした運搬から納品まですべてを含めて10万円くらいです。似たような家具のお直しをご検討されている方は参考になさってください。

箪笥に限らず桐の家具のお悩みをお持ちの方、jcraftの橋本までなんなりとご相談ください。必要に応じて実物を拝見にうかがい、数日で見積もりを提出してご了解いただいたうえで作業開始いたします。すこし手間はかかりますが、こうすることで後から思わぬ出費がかさむことはありません。なお、メールや電話でのご相談は土日でも大丈夫です。【電話:080-4889-2255、メール:jinsuke.crafts@gmail.com】メールでご相談いただける場合は写真も添付していただけると具体的なお話ができると思います。