このホームページの和机の補修事例をご覧になった方から、ご相談があり、漆の座卓を拝見に行きました。

ご相談いただいた漆の座卓です。素晴らしい蒔絵が施されています。

拝見すると単に漆で塗ってあるだけではなく、素晴らしい蒔絵が施されています。伺うと30年以上前から使われている座卓で、器の跡や艶がなくなったところができてしまい、何とかならないかとのご相談でした。

細かく見ると湯呑などの器の跡がついてしまっています。

蒔絵のすぐそばにもそれはあります。

漆の艶が引いてしまっているところもあります。

器の跡ができてしまった原因は器の熱で漆が変質したことであること、これを完全になくすには、全体を塗り直してしまうのが一般的だが、それでは蒔絵がなくなってしまうためそれはできない。次善の方法として変質した漆を元の状態に復旧するか、薄く削り取ってしまうしかないことを説明しました。

少なくとも艶が引けてしまっているところは復旧できるけれども、器の跡については、器の跡は完全にはなくならないかもしれないと正直にお話したところ、それでもかまわないのでやってもらいたいとのお話をいただきましたので、改めて他の部分も詳しく拝見しました。

より詳しく見てみると、脚が取り外し式になっています。

これはとても巧妙なつくりで、脚を散りつけてしまうと外せることすらわからなくなります。

でも、経年で気が乾いて収縮し、ガタがあります。天板を持って持ち上げると足が抜けてしまいそうなほどです。

机を立ててみて、脚にガタツキがあることがわかりました。原因は木材の経年による収縮なのですが、このまま使い続けると状態がさらに悪くなることをお話しし、この機会にこのガタツキも直すことになりました。
また、今後後気兼ねなく使っていただけるようガラス板を載せることを提案し、ご採用いただきました。実はこれは、器の跡が完全には消えなかった場合の救護策にもなります。