完成写真です。

プラスチック製のドレッサーの修理を依頼されました。

今回ご依頼いただいたプラスチック製のドレッサーです。さすがイタリアなデザインと色使いです。

座面の板が割れています。ですがここに印字されているメーカーのロゴは残したいです。

椅子の生地が変色しています

作業開始です。

背中のクッションを剥がします。

クッションから生地を剥がします

座面の生地も剥がします。

徹底的にクリーニングです。プラスチックは表面が柔らかく傷がつきやすいので細心の注意をしながら作業を進めます。

縁の割れの補修です。水平面から垂直面につながった割れがあったので両方を一度にバックアップするように工夫しました。

バックアップ材の接着です。この補修方法なら、完成したら表からは全く見えなくなります。

座面の制作です。5.5mmの合板二枚を張り合わせた強靭な板を作り、クッション材の下に埋め込みます。オリジナルのプラスチックの板はこの合板の下側に接着します。力がかからないのでもう割れる心配はありません。

ミシン仕事です。座面と同じビニールレザーでつまみのテープを作ります。

完成したテープです。3種類試作して一番薄くてしなやかなこれを採用しました

張り替えに使ったのはサンゲツのビニールレザーです。最も伸縮性が高く、薄いものを採用しました。色合わせには近似色のサンプルを4種類取り寄せ、オリジナルに最も近い色番号を採用しました。

いよいよ完成です。

完成です。全て収納するとシンプルな筒のようになります

椅子を引出し、ミラーを上げると、ドレッサーになります。

今回の修理はプラスチック製品だったので苦労もしましたが、作業中そこかしこにイタリアのデザイナーの気概を感じさせていただき、とても楽しかったです。ちなみに今回の修理の目安は35,000円でした。プラスチックの家具修理でお困りの方、ご参考になさってください。