食器戸棚の上の段
下の段
食器棚を白くしたいというご依頼をいただきました。
白と藍色の食器コレクションが引き立つように食器棚を艶消しの白にしたいというご希望でした。
この食器棚は、ドイツで購入されたアンティークだそうで、素敵なガラス扉がついています。
実物を拝見しにうかがったところ、ガラスを納める枠も堅木で作られた素晴らしい食器棚でした。
完成した食器棚です。
実物を拝見した時に目指す仕上がりのイメージを打ち合わせさせていただき、色変えが完成したら隣の壁に掛ける予定の「鏡」を拝見することができました。そのおかげで、艶消しの具合や凹凸で表現された下地の飾りの活かし方など具体的に作業の方針をたて、作業にかかることができました。
仕上がりイメージの参考にした鏡の縁です。外周のドット上の飾りは塗料が拭き取られています。白の塗装は完全な艶消しです。この感じを目指しました。
■作業の過程
扉と引出し棚板を全て外します
引出しの取っ手金具を外します
組み立てるときにわからなくならないように外した金具は整理して並べておきます
天板を貼って補強し裏に支柱を付け足しました
次に、欠損した飾り縁の復元です
欠けたところを平らにし木片を接着します
削り出して形を復元します
周囲の形に合わせて整形完了
一旦色合わせをします、こうしておけば白の下地に薄く透けた時に補修したところも違和感なく溶け込みます
天板の追加と外周の装飾です。この凹凸で表現された飾りを塗料の拭き取りで強調します
ガラスのマスキングです。複雑な形状を裏表とも完全にマスクするのに丸一日かかりました
塗装の開始です。まずガラスの枠から塗ります
サンデイングで足つけし、プライマーを下塗りして白の艶消し塗装をします
上の段の底にフェルトを貼ります。外周を一周させ塗膜同士が直接擦れないようにします
金具の色合わせです。白に引き立つよう少し暗めの色になるよう酸化させます
引出し付け、組み立てます。今回塗装は3回塗りました。塗料には機能性塗料オプティマスを採用しました。
ガラス扉の組付けです。丁番で固定し鍵をつけ、開閉の調整をして完成です