鰹節削り:修理前

修理後

鰹節削りの修理をしました。
長く使われてきた鰹節削りの四隅の接合部が緩み、削るとガタガタしてうまく削れません。
刃はよく切れる状態なので、グラグラする接合部のゆるみで力が逃げて、鰹節が安定して刃にかからないのです。
一旦分解し、刃をしっかり保持できるように接合部を引き締め、力の逃げる隙間を無くしました。

蓋と引出を外し、鉋の部分を取り外しよく観察します。箱の四隅に力がかかり緩んでいます。

分解します。雑巾で湿らせながら、アイロンで熱を加えて外します。

四隅の接合部も同様にして外します

分解修了。全てのパーツを並べてみます。

まず蓋を組み立てます。養生テープでしっかり固定して一晩おいておきます。

部材のヒビを補修してから、箱本体も組み立てます。クランプでしっかり圧着して養生しておきます。

つまみの部分も汚れを取り除きます。

各パーツごとに接着やクリーニングが終わりました。
この後、分解する時の熱で取れてしまった蓋の色味を補修して復元します。

鉋の左右の隙間を新規部品で埋め、鉋がしっかり保持されるようにしました。そこだけ新しい白樫が、長年使い込まれた周囲の白樫に馴染んでいませんが、ここはあえて無塗装です。

完成です。使い込んだ味を残しつつ、接合部分を引き締めて、切れ味が復活しました。