ワーナー社のシューメーカーチェアをクリヤラッカーで仕上げました。
木目の美しい、独特の三本足のスツールです。

このスツールは、乳牛の乳しぼりの時、牛小屋の凸凹な地面で安定して座れるように、三本足で作られ始めたそうです。

ほどなく靴職人が、仕事の時に使う椅子として目を止め、靴の木型をつくる要領でお尻の形に座面を削って座り心地を良くしたことが広まり、現在の形に進化しました。こんないわれから、この椅子はシューメーカースツールと呼ばれています。ワーナー社がこの伝統あるスツールを蘇らせたのは、1970年代の初頭だそうです。

いくつか簡単な工夫をして仕上げています。 脚の底は床に接する個所を若干平面に削り、硬質のフェルトを貼りました。

また、このフェルトはフローリングの床に傷がつくことを予防し、適度な滑り止めにもなっています。

伝統の、お尻の形にくぼんだ座面が、このスツールならではの独特の座り心地をもたらしてくれます。

牛小屋で生まれた歴史を引き継ぎ三本足です。どんな床でもガタつくことがありません。

ワーナー社製のオリジナルは無塗装でしたが、丁寧に下地処理してからクリヤーラッカーで仕上げました。木の成長の遅い北欧産ならではの、杢目の詰まったビーチ材の美しさが際立っています。