アルネ・ヤコブセンのスーパー楕円テーブルとセブンチェアを修理しました
以前のブログで紹介した事例をご覧になった方からご依頼いただき、スーパー楕円テーブルの修理をしました。
この完成写真は、納品の時に撮らせていただいたものです。このテーブルの天板は元々バーチの突板で、明るい木目仕上でした。長年使われてきて天板が傷んだので何とかしてほしいというご依頼でしたので、傷んだ天板をメラミン化粧板に貼り換え、脚の錆も落として仕上げました。その結果、見違えるように綺麗に蘇り、今では白を基調としたインテリアにしっくり馴染んでいます。
今回は塗装の傷んでいたセブンチェアも一緒に修理しました。このスーパー楕円テーブルとセブンチェアの組み合わせは、とても素敵で、多くの方が愛用されていると思います。10年以上使われると表面の塗装が傷んだり、食器の跡がついたりしてしまいます。今回は天板を貼り替えることでほとんど新品のようになりました。ご参考になさってください。
【スーパー楕円テーブルの修理】
修理のために工房に引き上げてきたところです。こんな風に傷みやすい小口を保護して運びます。
天板の接写です、突板の合わせ目がせって浮いてしまい、食器の跡も所々についています。なので今回は天板を貼り替えることにしました。
テーブルの脚です。いたるところに細かな錆が浮いています。
脚の先端のキャップを外します。
キャップは重曹につけて洗浄します。
脚の上のほうです。錆は根気よくサンドペーパーで研磨して落としていきます。
作業は木製のクランプで作業台にしっかり固定して行います。
テーブルの付け根も同様です。脚はこの金具で天板に固定されます。ほんと、よくできています。素晴らしいデザインです。
研磨の終わった脚です。ひたすら根気のいる作業でした。
天板の研磨です。下地を平らにならし、接着剤のくい付きを良くします。
メラミン化粧板を貼り終わったところです。
小口をトリムします。
トリムの終わったところです。この後小口をクリヤーラッカーで塗装し、細かな隙間を埋めてしまいます。
小口の塗装のために養生したところです。この塗装が終われば、テーブルの修理作業はほぼ終了です。
【セブンチェアの修理】
脚の分解です。プラスチックのカバーを外し、ビスを外して脚を取り外します。
ビスはマイナスです。回すときはずれないように細心の注意が必要です。
外した脚です。結構いろんなところに錆が浮いています。
ひたすら研磨して錆を落としていきます。
綺麗になりました。
プラスチックのカバーに亀裂が入っていたので接着して直しておきます。
固まったらテープをはがすとこんな感じです。手元にあった麻の生地で補強して接着しました。後からは全く見えなくなりますが。
メーカーのラベルが飢餓れていたので本来の位置に固定しなおします。細かい事ですが本物の証なので結構大事。
座面はクリーニングして汚れを落としました。脚を組付け、養生してクリヤーラッカーで吹き付け塗装して仕上げていきます。
何回目かの塗装です。毎回研磨して計6回ほど塗装しました。木目が綺麗に見えるようになってきたところでひとまず終了です。
最後に艶を調整して椅子の修理完了です。艶を控えめにした方が木目の美しさが引き立ちます。
【完成写真】
アルネ・ヤコブセンのスーパー楕円テーブルとセブンチェアを修理しました