よく使いこまれたダイニングテーブルの修理をご依頼されました。

脚を外して引き取ってきました。
付着した汚れで脚のついていた位置がわかります。
桟の金具の付け根に割れが生じています。
外した脚4本。
汚れが付着しています。
脚にねじ込まれているボルトが外れています。 木が痩せて下穴が緩くなり、本来はずれないはずの側が抜けたのです。
天板の様子、
塗装の剥離がところどころにあります
無垢の集成材製です。不透明の塗装が吹き付けられています。
ご自身で塗装を直された際に、黄色系のラッカースプレーを使われたようです。
オリジナル塗装の剥がれた部分です。
天板に凹みがありますが、それほど深い凹みではありません。
この部分はオリジナルの塗膜に不具合があるようです。
まず全体をクリーニングして汚れを落とします。
この割れの対処は、脚の強度に関わるのでテーブルとしての機能上必須です。どのように直すか検討しながら作業を進めます。
根本的な対策を考えつつ、分解していきます。
外れたピースを元あった場所にひとまず接着します。
テープで養生しておきます。
天板裏と、
脚をざっとクリーニングして、いよいよ作業の開始です。
まず、剥離剤で塗膜を剥がします。
剥離剤に冒された塗膜はこのように綺麗に取れていきます。むしろ剥がした塗膜を集め、まとめることに神経を使います。剥離剤は劇物ですから、当然手袋をし、新聞紙で包みます。
金具にビスの緩み止め代わりに緑色の塗装がされていました。これも同じように剥離します。
剥離が終わり、ざっと研磨をしたところです。
木下地をほとんど痛めることなく塗装を綺麗に取り除き、サンダーによる研磨で再塗装の下地処理がほぼ完了しています。
金具類もクリーニングが終わりました。
次に、塗装前の下地処理です。
#240番までオービタルサンダーで研磨しました。
他の部材も下地処理しています。
淡く着色しつつ、目止め剤を擦り込みます。
控えめながら、木目が綺麗に現れてきました。この段階でほぼ塗装の仕上がりが成功することがわかります。
サンデイングシーラーを三回塗布し、研磨しています。
色は徐々に濃くなり、しっとりとした艶も出てきました。
脚を塗装しています。
一回目の仕上げ塗装をし、水研ぎ研磨しています。
天板の平滑面が整いました、同時に木目が綺麗に見えています。理想的な仕上がりです。
天板ほぼ完ぺきに仕上がりました。
脚取り付け金具よう鉄結ボルトの貫通孔を開けています。
木ビスをボルトナットに変えています。こうすることでもう桟が割れることはありませんし、同時に脚の取り付け強度が格段に上がります。
完成した天板
天板裏、小口とも綺麗に仕上がりました。
最後に脚を仮組してみます。
完成です。脚を再び外して運搬し、納品時に組立てれば修理完了です。