座卓の修理をしました。

唐木の座卓です。その多くは紫檀だったり花梨だったり、堅木の高級木材で作られた、昭和な佇まいの純和風家具です。
脚の付け根がかなり大きく割れています。
逆さにしてみると、
割れは裏まで届き、脚がほぼ取れかかっています。
桟の横ずれを止めるためでしょうか、木片が小釘で打ち付けられています。
脚の付け根に同じような欠損が2か所あります。
まず、割れている箇所を外し、脚のホゾを引き抜きます。
錆びた小釘を引き抜き、木片を取り外します。
外したピースを元あった場所に再接合します。
テープで養生し一晩おきます。
再組立てです。まず4本の脚を接合し、
それぞれの脚を天板に接着して圧着しておきます。桟もずれないように接着しました。
割損したか所に大きめの木片を接着し、
乾燥後、形を削り出します。
入り隅のR加工なので、今回ルーターを使います。まず大まかな形に削り、
鑿と彫刻刀で縁回しを削り出すなどして、整形していきます。
欠損を直すのには似たような樹種を選びましたが、日焼けした周囲の色とは全く異なります。
反対側の同じ場所の形に倣って整形します。その後色合わせして仕上げます。
天板の塗装を一旦仕上げます。溝に詰まっていた汚れも落ち、素材が良いせいでしょうか、この段階で既に木の風合いがとても良い感じです。
割れのあった部分です。
若干の段差が残りましたが、表面を滑らかに仕上げます。
完成です。この天板はブックマッチでしょうか、木目が左右対称です。味わい深い座卓が蘇りました。