今回ご依頼いただいたのは、長年愛用されてきたミシンを展示する台座の制作です。ご自宅の改装ために持ち物を整理していたところ、大切にしまってあったミシンが出てきたので、改めてをこのミシンを活かしたいということでした。
また、改装して、お住まいが新しくに生まれ変わっても、以前のお住まいを何らかの形で記憶に残せるようにしたいというご希望もあったので、床材を剥がしてこのミシンの展示台の素材として活用する提案をしたところ、この案が採用されました。

まず展示するミシンをスケッチして、各所の寸法を測って書き入れ、台座がどんな大きさ・形ならミシンが引き立つか考えます。

ミシンと台座をどのようにして固定するか検討します。方針が決まったら、台座を作るのに、材料がどのくらい必要か割り出します。

材料となった床です、ご依頼主の思い出の詰まった床材です。無垢の桜材なので、素材としても申し分ありません。

床に直接必要な大きさをマークして、まず試しに1か所外してみます。

床材の正確な厚みが分かったので丸鋸の刃の出幅を調節し、周囲をカット、床材を剝ぎ取りました。

この展示台が出来上がったら、置く場所は玄関の靴箱の上と決まったていたのですが、ミシンの重量で靴箱の天板がたわむことが心配されました。そこで床材はボーリングのレーンのように縦にして継いで台座自体を強固に作り、靴箱の横幅とほぼ同じ幅にすることで、ミシンの重さが靴箱の左右の柱にかかるようにすることしました。
まず最初に、お借りしてきたミシンの形をスケッチして細部の形状を把握しました。ミシンと台座はしっかり接合しなければなりません。ですが鋳型でつくられたミシンは複雑な形状をしています、特に底まわりには回転軸やクランク機構など厄介な突起がたくさんあります。よく観察して、いろいろ検討した結果、ミシン本体にあるボルトを利用して締結することを思いつきました。
この方針が決まったので、床材がどれだけ必要か把握できました。そして改装工事が始まる直前に現地にうかがい、床材を剥ぎ取りました、それは24mm厚の無垢の桜材で作られたりっぱな床材でした。(1-2につづく)