タンスの修理を依頼されました。片開きの扉の中を仏壇として使えるようにリメイクしました。

上下2分割できるタンスの修理です。
右側を仏壇として使いたいというご要望を受け、扉を観音開きに改造しました
修理と改造をする上の段だけ工房に引き上げました。
壊れて外れた右側の扉を止めていた樹脂製の連結具がついています
外した扉と内部の棚板です
引出のクリーニングです。劣化したガムテープの残滓を取り除きます
扉も同様にクリーニングします。シールはがしのスプレーはこんな作業に便利です。オレンジオイルが主成分で塗装面を痛めることなく厄介な粘着剤をきれいに取り除くことができます
クリーニングの終わった筐体です。これから観音開きに改造する算段に入ります
クリーニングし、化粧板の細かな剥離を補修します
観音開きの左側の扉を付けるため新規に追加する支柱を削り出します
周辺になじむように、小口の形状を周囲に倣い、
筐体への固定に都合の良い断面形状に削り出しました
支柱をはめて様子を見ます
支柱の下端と
上端、きっちり隙間なく作れました
オリジナルの扉を左右に分割の扉に改造します
昇降盤で半裁し
切り口の様子を確認
切り口に木片を接着して整形していきます
筐体の引き出しを調整します。長い年月で木の収縮が進み、
渋くなった動きをスムーズに引き出せるように補修します
引出の成型を済ませ、小口を補色します
支柱の着色です。まず薄く着色し、周囲の色に合わせて徐々に濃くしていき、
艶を合わせて仕上げます
棚板の接着です。ご要望の間隔になるよう内部に薄板を貼ってその上に接着します。2リットルのボトルに水を入れた2キロの重さで圧着します
扉や筐体の色調整を進めます
削ることで露になった木の小口を周辺になじむ色に着色していきます
細かな当たり傷も同時に補修します
引出の周囲も同様に仕上げていきます
支柱の色つやも違和感なく仕上がりました
扉に新しい取っ手を付けます
蝶番も新規に用意し、ラッカー塗装で相応しい色にします
扉に蝶番をねじ止めします
隙間が薄く仕上がる特殊な蝶番を採用しました。
厚紙を挟んで隙間を調整しつつ固定し、観音開きの扉が完成しました
開いたところです
大きく左右に開きます。中にはお骨と改名、小物類が収まる予定です
タンスのリメイクが完了しました
左右に開く観音開きの扉で仏壇としての機能を持たせることに成功しました。