再塗装が終わった天板

「SDGsの時代に買い替えなんて・・・」娘さんのこの一言で、テーブルの再塗装をご依頼になったとのことです。なるべく電力に頼らずに、「美しい再塗装を」と日々研鑽していますが、テーブルの広い天板を均質で平滑、木目美しく仕上げることはやはりハードルが高いです。パン屋さんではないですが、塗り上りは、その日の気温や湿度にもかなり左右され、常に前工程が透けて見えるので、10回以上塗装と研磨を繰り返して仕上げ間近になると、今だにかなりのストレスです。

日々作業方法が進化しています。今回はテーブル天板を運ぶ台車を作りました。
天板を台車にのせたまま運べるほど大きな車ではないので、テーブルを車に運ぶまでの間しか使えませんが、それでもかなりの省力化です。
今回ご依頼いただいたテーブルです。
テーブルの小口に塗装のはがれが散見されます。
ことらにも白く下地が見えるところがたくさんあります。
施主宅で外してきた脚。
脚にも同様のはがれがあります。
まず裏側のクリーニングから作業開始です。
今回一旦塗装を全て剥がすことにしました。まず剥離剤を全面に塗ります。
塗装を剥がしていきます
薬剤による剥離後、全面をオービタルサンダーで削りオリジナルの塗装を全て落としました。
次いで砥の粉で目止めします。
乾燥後全体を研磨して杢目を出しつつ下地調整を進めます。
サンディングシーラーで目止めし細かな凹みを埋めます。
ここで天板の水平を出します。
縦横に水準器を置き、
この泡が真ん中になるようにして天板全体を水平にします。
こうすることでゆっくり乾燥させる塗料が平滑になります。秋だとトンボが卵を産もうとやってくるくらいです。
色味の調整中、経年で色が濃くなっている木と削り出して白くなった木の色の違いを着色剤を駆使して埋めていきます。
塗り終わってまだ濡れている状態です。水面のように平滑に仕上げます。
次に脚を研磨します。研磨することで新しい塗料の食いつきがよくなります。
塗装の剥離か所をタッチアップしていきます。
全体に透明塗装をし、艶を整えて仕上げます。

工房での作業を終え、納品にうかがいます。作業途中、薬剤も電動工具も使いました。SDGsの認識を新たに新時代を生きる娘さんの評価がとても気になります。組みあがったテーブルを手で撫でで、娘さんが一言「いいんじゃない」。ほっと胸をなでおろし、工房に帰りました。