松本民芸の小ぶりなライテイングデスクを修理しました。

まず、天板を外します。天板には塗装の傷んだところと当たり傷、全体にはところどころ細かな傷があります。
丁番のネジの下穴が若干大きくて、取り外す時緩みを感じました。経年で木部が収縮したせいかもしれません。
取付にはマイナスネジが使われていました。周囲を傷つけないように慎重に作業します。
天板の小口に割れがありました。ピンを挿した跡でしょうか、木目に沿った割れを接着し、圧着して養生しておき、乾燥後に研磨して平滑にしたところです。
天板の裏は、天板を閉めた状態では常に正面になって目に入るところです。細かな傷をしっかり補修して塗装します。
天板の塗装が傷んだところを重点的に研磨し、古い塗装を落とします。その後、少しづつ周囲の色味に合わせていき、最終的に艶合わせをして仕上げに向かいます。
裏側です。「松本民芸」のシールが貼られています。
天板の本体側を研磨して劣化した塗装を落とします。
必要なマスキングをしつつ、研磨したか所の色と艶を、徐々に周囲になじませていきます。
取り外した天板を一旦仕上げます。
ヒンジの金具をバーナーで焼き、酸化させた古色にして周囲になじませます。
ビスの下穴には釘状に削り出した桐材を埋め込み、しっかりビスが効くように修理しました。
天板を取り付けて、仕上げの塗装をします。奥まった面への吹き付けには、塗装の乾燥遅延剤を多用して、全ての面に必要十分な吹き付け塗装をして仕上げました。
外周も全て再塗装しました。美しい面取りと留め加工が多用された、松本民芸家具ならではの重厚な仕上がりです。
完成です。側面の木目も美しく仕上がりました。