長年背中を支え続け、籐編みが切れてしまってます。座面は本革張りです。籐編みは交換し、座面は破けてしまったものは新しい革に交換、まだ使えるものは革に栄養を与えるメンテナンスをします。
フレームに傷をつけないように溝底のステープルを抜くのは、根気のいる作業です。工具の先端に専用の加工をするなど、長年工夫を続けていますが何度やっても、もっとこう出来ないものか、と改良点が見つかります。
使えば使うほど魅力が増してくる、天然素材を改めて見直す修理でした。完成した時が一番美しいか、愛着を持つ頃に、それにこたえるように美しくなってくるのがいいか。それ相応の手入れが必要なので、好みは分かれると思いますが、木や革にはそんな魅力があります。