ダイニングチェアの座面張り替えのご依頼がありました。実物を拝見にうかがうと、とても軽い椅子で驚きました。「小ぶりで使いやく、10年以上使ってきたので、座面の生地が傷み、グラグラする」との事。生地を張り替えるとともに、フレームの接合部を引き締めることになりました。
フレームはこれまで手掛けた椅子の中で最も細く、先端に向かって細くなっていくので、接地する脚底に至っては2センチ×1センチしかありません。こんな細いにもかかわらず。ブナの曲木を何枚も重ねて作られた積層フレームは、粘り強く、しっかり人の重さを支えてくれます。
全く無駄のない作りです。力のかかるところはそれ相応の強度を持たせ、究極まで贅肉を落としたフレームです。しかもこのフレームは見事に均整がとれていて、美しささえ感じます