素敵な本棚の修理依頼がありました。お気に入りの本棚だったのに、引っ越しの時に倒れてしまい、痛めてしまったとのことです。


下見にうかがい、実物を拝見して、今回は本体の修理を出張作業で、棚板の修理を工房で行うことにしました。出張作業と工房の作業を組み合わせることで、本体の輸送にかかる費用を削減できます。



持ち帰った棚板を工房で修理します。棚板は横架材が割れてしまって荷重に耐えきれず曲がっています。













出先でできることは限られてしまいます。大型工具が無い事と、溶剤臭が出せないことがその理由です。
今回は割れの補修後、棚板の納品時にタッチアップだけしましたが、ごく微量の塗料なので溶剤臭はほとんど残りません。一方棚板は工房に持ち帰っての作業なので、横架材を交換して直し、棚板としての強度を確保した上で、しっかり塗装仕上ができます。従来通り本棚全体を引き取って作業するのに比べると、割れの修理跡の凹凸が多少残ってしまうことぐらいです。この点は期待した通りシャビーな手作り感に埋没して全く気にならない仕上がりです。一方で修理費は半額以下になりました。
修理作業はケースバイケースです、毎回このような分離作業ができるわけではありませんが、それができるかどうか、常に検討してみる価値はあるようです。