1993年製セブンチェアの修理をしました。
まず最初に裏返して、脚と本体の接合を確認すると
3本あるべきビスが1本しかありません。かろうじて止まっているに過ぎなく、座った時にグラグラするのは当然です。
まずは手持ちの6角穴付きビスを必要な長さに切り詰めて、しっかり固定できることを確認し、次の作業に進みました。
次は本体のクリーニングです。
食器洗浄用のスポンジに中性洗剤を付け、汚れをこすり落とします。
裏面のクリーニング完了。
次いで背もたれの裏側に貼られているシールにシールはがしを吹き付け、
硬質樹脂のヘラを使ってシールを剥がします。
綺麗に剥がせました。
次いで背もたれと座面もクリーニングします
オリジナルの白のラッカー塗装は塗膜が厚く、クリーニングするだけできれいになります。
小口も同様にきれいになりました。
座面も同じくしっかりクリーニングするだけで
オリジナルの形の美しさが際立ちます。
次いで取り外しておいた脚のクリーニングです。
脚先に巻き付けられたビニールテープを剥がし、
ゴムキャップも取り外します。
座面と脚を一定の感覚に保つゴム製のスペーサーを外します。こんなシンプルな形状のパーツが実は便利なスタッキング機能をもたらしているのです。北欧デザインの深慮には感心してしまいます。
金属パーツのみの状態にして、錆を落とします。
なぜか1か所結構な面積でメッキが剥がれ、錆だらけになった脚があります。サンドペーパーで錆を落とし、クリヤー塗料を吹き付けてコーティングしておきます。
新規に用意した脚先のキャップです。脚底に硬質フェルトが付けてあります。

実は今回本体と脚の接合部を覆うプラスチック製のカバーの入手も試みたのですが、「コロナの影響で本国からいつ入荷するか未定」とのことで断念しました。普段見える場所ではないのですが、30年前の製品のパーツ供給をしているメーカーの理念が結実させられにない残念な思いは残りました。

再度全てのパーツを組み上げます。
ハンドルーターにナイロンブラシを付けて錆や汚れをこすり落とし最後はピカールで磨くだけで、ここまできれいになります。フリッツハンセンのメッキは厚くて丈夫です。
セブンチェアの修理完了です。

このセブンチェア製造されてから30年近く経っているとはとても思えません。セブンチェアをメンテナンスすると、よいモノを長く使い続ける北欧のライフスタイルがFDGsの先駆けだということがよくわかります。