旭川家具の椅子の張り替えをしました。
まず座面を外します。
木製のシンプルな外観の椅子ながら、ひじ掛けがあるにもかかわらず、スタッキングもできる巧妙なデザインです。
まず、既存の生地を剥がします。
4脚はそれぞれ製造された時期が異なり、座面の収まる径に若干の違いがあります。座面とフレームに合い番を振っておきます。
作成した型紙を使って生地を切り出します。
クッションスポンジの上にまず不織布をバイアスに張り、
次いで、仕上げの生地を張る二重張りにしました。
不織布は大きめに余長をとって張り、仕上げ張りの生地と一緒に改めて裁断することで、二重張りながら余白を狭いスペースに収めることが出来ます。
この一手間で、座面がより綺麗な凸レンズ型に仕上がります。
4脚全てに同じ手順をふみ、
脚底に貼るフェルトを準備して、
貼って仕上げます。
フレームの角に散見された小傷もタッチアップし、クリヤーを吹いて艶を整えた仕上がりです。
座面も綺麗に収まりました。
外側に突出させた脚を、座面を回転させて隣にずらして、スタッキングさせる、巧妙なデザインです。
木部の仕上げも美しく、クリヤー塗装で仕上げることで椅子としての一体感も復活しました。
座面の色も、明るく品の良い質感のモノを選定していただいたおかげで上品で快活なイメージの仕上がりとなりました。
椅子に造詣の深いご依頼者様の「隠れた名品」の言葉が頷けます。