テーブルの脚が付け根からもげてしまったので修理して欲しい、とのご依頼がありました。

詳しくうかがうと、どうも内装の業者さんが客先でして冒してしまった失態のリカバーのようです。早速現地にうかがうと、2mを越える全長の大きなテーブルに直径70mm程度の円柱状の脚、さらに小径の座金。内部は木毛板(パーティクルボード)とおぼしき漆作家モノのテーブル。その厚さは30mm程度、付け根の木ネジだけで脚を固定してある強度の不足したテーブルを、床の上で横に引きずったため、脚が根元から外れたとの事。悪い条件がいくつも重なった結果、必然的に起きた事でした。

現地で実物を拝見し、修理の方針を立てました。まず直径200mmの円盤を天板の裏にエポキシで全面接着します。外周は表に突出しない長さの木ビスで補強しておき、この円盤に改めて座金を木ネジ固定し、長さを調整しておいたオリジナルの脚をねじ込んで仕上げるというものです。基本的に作業は全てテーブルのある現地で行い、大物の輸送にかかる費用を節約する方針です。

早速作業所で円盤の制作です。取り付けてしまえばほとんど見えないのですが、色を合わせたいとの施主の要望を受け、同系色に塗装して仕上げました。

ベース円盤
ベース円盤の厚さ分切り詰めた脚とオリジナルの座金、エポキシ接着剤など、出張作業に持ち込んだ物品

緊急の現場対応、出張作業。予定通り脚を取り付け、写真も撮らず早々に現地を後にしました。