7年ほど前に直させていただいた椅子がグラグラするようになったので直してほしいとのご依頼がありました。

monomonoの椅子に久しぶりに再会しました。7年前に貼り換えた生地はほとんど傷みもなく、まだまだ使えそうです。
木製のフレームも日に焼け、いい色になりました。さて、メインフレームの継手を確認すると
隙間ができています。この緩みがグラグラの原因です。
座面を外して接合部を修理します。
補強のコーナー材も外し、
接合面の古い接着剤を削り落とします。
接着剤とビスで再接合し
ポニークランプで圧着して、
一晩養生しました。

この後で、同じく7年前に同時に手がけさせていただいたmonomonoのテーブルのメンテナンスもさせていただきました。自分のやったことが7年経つとどうなっているか、見ることには、いろいろと得るものがあります。

今回修理で一旦取り外したコーナー補強材と同等の働きをしている部材の、接合する両面に溝を複数切り、接合面を立体的にした椅子を以前手掛けたことを思い出しました。たぶんそれは、今回のような修理から製品にフィードバックされたものなのだろうと思い到りました。文化的な成熟とはこんなことなのでしょう、まだまだ日本の椅子には伸びしろがありそうです。