食器棚のヒンジが壊れたので直してほしいとのご依頼がありました。
このヒンジが破損し、ガラス戸が落ちてしまったそうです。ガラスが割れずに済んだのが不幸中の幸いでした、運が悪ければ割れたガラスで怪我をしてもおかしくありません。

画像検索で探してみると、この金具を作っていた工場が廃業し、同じ丁番を手に入れることが出来ないことがわかりました。

ですが「安田屋家具店」さんが、この「DC COLDEA 刻印の金具」の代替品を販売しているとわかり、早速「24F120」という代替品を必要個数手配しました。

この代替金物が手元に届いたので、食器棚本体は現地に残し、扉だけ外して作業所にお預かりしてきました。
壊れた金具を確認し、
まずは代替金具をあてがってみます。扉への取り付けは、数ミリ削る必要はありますが、所定の位置に収まりそうです。
むしろ落下したガラス扉にダメージがあり、まずこの修復から作業を開始します。
ガラスを押さえる棒が外れ、
木枠の角に隙間ができてしまっています。
計3箇所の接合部に3mmほどの隙間があり、
裏側はもちろん、
それは表側にも現れています。
接着剤をたまたま落ちてきた落ち葉に取りだし、
刷毛で隙間に押し込みます。
クランプで圧着してはみ出してきた接着剤を
丁寧に拭き取り、
数時間ではありますが養生しておきます。
取り出した接着剤のほとんどは拭き取りましたが、ホゾ内部に相当量の接着剤が残っていて仕事をしてくれるはずです。
次に木枠に代替金具をはめ込んでみます。
扉側に1mm程押し込む必要があるので、木枠の干渉する部分を削り落とします。

以降、作業所でヒンジ金具を取り付け、棚本体のある場所に行って取り付けました。

取り付けそのものは無事終了し、開閉してみて問題なかったのでこの修理は終了したと思っていたのですが、後ほど「開閉時に隣の扉と擦れている」との連絡を頂戴しました。

翌日急遽再訪問し、本体との間に2mm厚のスペーサーを挟むことで、隣の扉と干渉しなくなったのですが、この隣の木製扉を子細に調べてみると、同様にヒンジ金物が破損していることがわかりました。

結局再度代替品を必要個数を手配して、この修理は年越しすることになってしまいました。(その2に続く)