もう数10年愛用されてきたダイニングテーブルです。日本の住宅事情にあった小ぶりなサイズながら、天板の半分ほどが二重になったデザインで、この部分が左右にスライドして広げられ、ほぼ倍の大きさになるとても便利なテーブルです。このデザインのテーブルはもう生産されていないようで、これからも使い続けたいので色を塗り直して、脚も30mm切り詰めて仕上げてほしいとのご依頼でした。
今回ご紹介の事例では、塗装工程の写真が残っていません。ですので突然完成に至るのですが仕上げの色味と艶加減には、毎回神経を使います。
目標にした仕上がりの色味は、話し合いによるイメージの共有でしかなかったのですが、納品時に「イメージしていた通りの色です」とのお言葉をいただけて、安堵しました。ここらへんのコミュニケーションには細心の注意を払ってきましたが、残念ながらコミュニケーション不足になってしまったこともあります。
毎回下地となる木地の色味が違うので、そのものずばりの塗装見本を作ることは無理ですが、なにか基準になるような色見本の必要性を感じています。今後はDICなどの印刷用色チップで代用し、せめて基準となる色を共有できないか、試してみようと考えています。